最新カレッジ事情

予備校の掲げる合格実績の善し悪し

優秀な生徒であればあるほど、浪人して成績を上げるためには、基礎に立ち戻る必要がある。「わかっているつもり」の基礎からやり直してみて、初めて自分に何か欠けていたのかが自覚できるのだ。ところが特待生中心の授業は、どうしても難易度が高く、より複雑なものに向かいがちだ。それこそ「こんなことはもうわかっているね」の世界である。あまり簡単な授業をやって、特待生たちにそっぽを向かれると困るからである。その結果、何にも優先して解決すべき「基礎の穴」がいつまでたっても見過ごされてしまう。「浪人をしても成績は上がらない」のはそのためだ。山本央昂くんは、現役の頃から東京大学理科H類をめざしていた。そのため、高校3年間、大手予備校に通って受験に備えた。2年と3年のときは特待生だった。しかし結局、現役受験では合格できず、I浪して翌年、東大に合格した。浪人するにあたって、圖部くんは予備校を四谷学院に変えている。四谷学院を選んだいちばん大きな理由は「特待生がないから」だった。「現役受験で失敗した原因のひとつは予備校の特待生だったこと、今ではそう思っています。学費が免除されたり特待生制度があったりすると、よけいなプレッシャーを感じてしまう。特待生なのに東大に受からないなんて……。そういう周囲の目を感じるような気がした。自分は特待生制度なんか利用しなくても東大に行ける、いや、特待生制度なんかないほうが行けると思いました」受験生の心理は微妙なものである。「できる生徒」と認められ、特別扱いされれば悪い気持ちはしないだろうが、結果を求められる心理的なプレッシャーも大きいのだ。その意味で、特待生制度は受験生の心理を無視したシステムともいえるのではないだろうか。特待生制度に関しては、かけもち授業の弊害も説明しておかなければならない。特待生のなかには、いくつかの予備校に同時に籍を置く人が少なくない。いわゆる「無料パス」を駆使して、「英語はこの予備校、数学ならあの予備校」というように教科ごとに通い分けたり、名物講師の追っかけをしたりする生徒もいる。毎年、発表される各予備校の合格実績を調べてみれば、東大合格者数などの総計が実際の合格者数より多いことに気づくはずだ。「かけもち受講生」があちこちの予備校で同時にカウントされているためである。

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熟練した講師の指導

実際、1級進めるごとに「基礎の穴」が確実に埋まるという。しかし、55段階個別指導を受けると、どうして「基礎の穴」が埋まるのだろうか。第一の理由は、言うまでもなく55段階テストが中学生レベルの基本問題から始まることにある。大学受験生である以上、「そんなことはわかっている」と思うこともあるだろうが、あえて基礎段階にまでさかのぽり、そこから一つひとつ積み直すことで、すべてを漏れなくチェックできる。実際に試してみると、本人が「わかっているつもり」だったところに大きな穴があったりする。それらを放置しておくと、受験では致命的なミスになりかねない。慶応義塾大学法学部と早稲田大学商学部に現役合格した壇上くんは、「最初の頃は英文法のテキストのいちばん最初に載っている『3単現のS』なんていうところでも間違えてしまった。55段階をやってほんとうによかった」と言う。しかし、基礎の穴を自分で発見するのは案外むずかしい。とくに時間のかぎられた受験勉強では、目先の成績にとらわれがちで、「早く結果を出したい」「偏差値を上げたい」と焦るあまり、なかなか基本問題に戻る余裕が生まれない。しかし、いきなり難問だらけの断崖絶壁によじ登ろうとしても、足元の岩場がもろければ途中で転がり落ちてしまう。結局、熟練した講師の指導を受けながら、あいまいな部分や誤解していた部分を一つひとつつぶしていくほうが近道なのである。第二の理由は、55段階テストでは級や段位が上がっても、同じテーマが形を変えながら、くり返し登場することがあげられる。もちろん内容的には少しずつ難易度が高まり、応用力が身につくよう工夫されている。だから自分でも気づかないうちに基礎力が強化され、完璧なものに固まっていく。